「ハウス・オブ・ヤマナカ」
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ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商」 朽木ゆり子著 (新潮社)
山中商会の興亡記。
文字通りの「記」で、エンターテイメントとしての本ではありません。
資料を追い、当時の社会を書き、ひたすら記録していったものです。
興味のある人にはすごく面白い本。
興味の無い人に読ませるような工夫は無いから、資料として読める人にしか、勧められません。
メトロポリタン美術館、ボストン美術館、大英博物館などの美術館は、東アジア美術コレクション(日本のものも含めて)を持っていますが、山中商会はこれらへ相当数の美術品を納めていたようです。
もっとも、山中は、美術館や博物館に美術品が入ることを「メシの種が減る」として嫌がっていたようですが。
日本の文化は素晴しい、世界で賞賛されている、だから日本は優れている…ってな勘違いをしている人がいらっしゃいますが、日本の文化への人気が高いのは、優れているからではなく、山中商会などの美術品貿易商が、世界に売り込むために様々なイベントを開催し、演出をしてきた賜物だと思われます。
今、韓国の文化が世界のあちらこちらで受け入れられていますが、これも、それが文化として優れているかどうかということではなく、積極的に売り込み、演出をし、魅力的にみせる工夫をどれだけしたかどうか、ということでしょう。
もちろん、根底となる文化あるいは芸術がハイレベルである必要はあります。
でも、ハイレベルなだけでは、人気は出ないし、受け入れられません。
演出を行い、売り込みに成功し、規模を大きくしていった山中商会が、太平洋戦争で解体されるまでを書いた本。
興味深い本でした。
「叫びと祈り」
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叫びと祈り」 梓崎優著 (東京創元社)
しっかりとした面白いミステリー小説。
1話1話、あれ?というミステリーらしいポイントがしっかりと存在し、謎解きも、文章も、ストーリーも美しく、いいねぇ。
すごく面白く読めました。
ミステリーについて、感想はどの程度書けばいいのかな、ネタバレって悪い気がするし、どうしたらいいのかな。
書きにくいなぁ。
人の夢をうばってもいけないので、今回はこのぐらいで。
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「オリーヴ・キタリッジの生活」
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オリーヴ・キタリッジの生活」 エリザベス・ストラウト著 (早川書房)
ピュリッツァー賞受賞、というわけで、かなり期待して読みはじめ、第一章ですっかり飽き飽きしてしまいました。
本当にピュリッツァー賞か。
日本人とアメリカ人とでは、文学に求めるものが違うのかしら…と思いつつ、読み勧めること数日。
中盤から急におもしろくなりました。
小さな町の、ごくありふれた日常のようすを、リアルに描いた小説。
小さな町なので、タイトルに出ているオリーヴのほか、いろいろな登場人物が繰り返し出てきます。
オリーヴと、その夫のヘンリーも、病気になったり(既に老後生活を送っているので仕方ないのでしょうが)、他の人が気になったり、息子が結婚したり離婚したり引っ越したり。
亡くなる人も出てくるし、犯罪に走る人も出てくるし…
中盤からおもしろくなるのは、それまでに登場としてチラリと出てきた人の背景が分かるからでしょうか。
ちょっとしたゴシップ心をくすぐられるせいか?
…で、ゴシップに興味を示しているうちに、登場人物のオリーヴにひかれていく、と。
共感するのでしょう。
うまい小説です。
でもな、私はこれ、共感できず、読後感がまずい感じで終わってしまいました。
残念。
なぜならば、オリーヴ・キタリッジ、うちの母にそっくりで不気味です。
あぁあ、国籍は異なっても、ああいうおばさんおばあさんは大勢いるのでしょうね。
ぞっとします。
共感する人も、近くに彼女のような人がいたら、困惑すると思うのですが。
決して謝らない人。
私なら、いやだなぁ。
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